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シャルル・カミーユ・サン=サーンス
(1835-1921 フランス)
「動物の謝肉祭(しゃにくさい)」で知られる、フランスの作曲家、オルガニスト、指揮者。
2021年が没後100年でした。
神童と言われ、10歳でコンサート・デビュー。
3歳頃から作曲をしたといわれています。(モーツァルトでさえ、最初の作曲は5歳)
むすこの早熟な才能をよく理解していた母親は、モーツァルトのようにおさない頃から有名になることを望みませんでした。
そのため、公式なデビューが10歳となりました。
サン=サーンスは音楽だけではなく、多くの科目に秀でていました。フランス文学、ラテン語、ギリシャ語、神学、数学の成績は優秀で、詩、絵画、生物学、哲学、考古学、天文学、にも才能を発揮(はっき)しました。
22歳の時に、当時パリで最も名誉(めいよ)あるポストのマドレーヌ寺院のオルガニストに選ばれ、20年間つとめました。リストはサン=サーンスを世界最高のオルガニストと言っています。
1877年、友人がのこした巨額の遺産(いさん)を受け取り、寺院のオルガニストをやめ、作曲に専念できるようになりました。
サン=サーンスは旅行がたいへん好きで、1870年代から亡くなるまで、27か国179回の旅に出ています。
1921年11月、86歳で多くの招待客の前で演奏をし、以前と変わらず生き生きとし正確であると称賛(しょうさん)されます。
その1か月後、寒いパリを離れアルジェ(北アフリカ、アルジェリアの首都)に行き、その地で心臓発作(しんぞうほっさ)を起こし亡くなりました。
亡骸(なきがら)はパリに運ばれ、マドレーヌ寺院で国葬(こくそう)が執(と)り行われました。
1835年10月9日生まれ
動物の謝肉祭(しゃにくさい)より
第1曲「序奏(じょそう)とライオンの行進」
現在ではたいへん有名な「動物の謝肉祭」は、1887年にサン=サーンスのプライヴェートなコンサートで、仲間たちを笑わせてやろうと作られ、生前に非公開で2度演奏されただけでした。
全部で14曲からできており、他の作曲家の曲や自分の曲をパロディにしていることから、サン=サーンスは生きている間にこの曲の演奏や楽譜の出版を禁(きん)じました。
現在では、子供向け管弦楽作品の代表としてたいへん人気があり、ナレーションで物語をつけて演奏されることもよくあります。
動物の謝肉祭より 第13曲「白鳥」
この「白鳥」の曲だけは、生前に楽譜(がくふ)を出版することをみとめた曲です。オリジナルの曲であったことと、あるバレリーナから曲でおどりたいので、楽譜を出してほしいとお願いされたからです。バレエでは、「瀕死(ひんし)の白鳥」として親しまれています。動物の謝肉祭の中でも一番有名な曲です。
動物に謝肉祭より 第7曲「水族館」
演奏:ㇻベック姉妹(ピアノ) サイモン・ラトル(指揮)
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
幻想的(げんそうてき)な曲です。(不思議な音の国上巻の最初できいた音楽のひとつです。きんぎょばちのような絵があったと思います)。すずしげな音です。
動物の謝肉祭より 第11曲「ピアニスト」
動物の中にピアニストが入っているところが皮肉たっぷり。
練習曲をへたくそにひいている様子が表現されています。
動物の謝肉祭より 第12曲「化石」
動物の謝肉祭より フィナーレ
演奏:ㇻベック姉妹(ピアノ) サイモン・ラトル(指揮)
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
パロディだけで作ったような曲です。
自作の「死の舞踏(ぶとう)」から、がいこつのおどり、フランス民謡「きらきらぼし」「月の光に」(不思議な音の国上巻、下巻にもあります)などが使われています。
古い曲を化石のようだと思っているのでしょう。
これまで登場した動物たちが次々とあらわれる、はなやかなエンディングです。
軽快(けいかい)なテンポで、最後の舞台(ぶたい)あいさつに動物たちが出てきます。本当に楽しい曲です。
交響詩(こうきょうし)死の舞踏(ぶとう)Op.40
指揮:ジャン・フランソワ
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団
午前0時の時計の音と共にがいこつがあらわれ、ぶきみにおどり始めます。おどりはどんどんはげしくなりますが、夜明けを告げるにわとりの声が聞こえるとおはかに逃げ帰る、というお話です。
1874年作曲。
ピアノ協奏曲第5番 Op.103「エジプト風」
演奏:ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)
アンドリス・ネリソンス(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
デビューしてから50年目にあたる1896年に、長い音楽活動を祝う記念コンサートで初演されました。ピアノはサン=サーンス自身が受け持ちました。
寒いパリを離れ、エジプトのカイロにいる時に書かれ、エキゾチックで地中海の空気を思わせる曲です。
第2楽章にピアノではないような不思議な音が聞こえます。(17:37~)他の楽器は混ざっていません。サン=サーンスのおもしろい音の使い方です。サン=サーンスによると、この楽章には、カエルやコオロギの声もあるのだそうです。
第3楽章は「航海の楽しみ」なのだそうです。さっそうとして、気持ちの良い曲です。リズムもワクワクします。
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