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チェンバロはピアノの祖先(そせん)です。

音を出す仕組みはピアノとはちがいますが、
チェンバロ製作者(せいさくしゃ)のイタリアのクリストフォリという人が1709年にチェンバロを改良(かいりょう)してピアノをつくりました。

その時は弦(げん)がピンと張っていなかったので、音がよくは鳴らなかったそうです。

ピアノは弦をハンマーが下からたたくことで音が鳴りますが、チェンバロは弦をはじくことで音が鳴ります。
​弦をはじくことではハープと同じですが、ハープは人間の指ではじくのに対して、チェンバロは鳥の羽の軸(じく)や動物のかたい皮、現代ではプラスチックのプレクトラムという爪(つめ)ではじきます。それが弦の横にある木の板(ジャック)に取り付けられていて、それが弦をはじいて音を鳴らします。

 
 
 
 
 
 
 
 
チェンバロはイタリア語の名前で、英語ではハープシコード、フランス語ではクラヴサンといいます。どれも同じ楽器です。

 

​イタリア協奏曲 BWV971 ヘ長調
​チェンバロ:クリスティーヌ・ショルンシャイム
J.S.バッハ
​1685-1750
(ドイツ)
 ピアノが演奏(えんそう)される前の時代は、けんばん楽器といえば、チェンバロ、パイプオルガンでした。
 ピアノが楽器として使えるようになってきたのが、モールァルトが子どものころです。
 なので、チェンバロの作品はバッハやヴィヴァルディが活躍したバロック時代に多く作られました。
 このイタリア協奏曲(きょうそうきょく)はバッハが生きていたころから人気がありました。1735年作曲。
 現代ではチェンバロ以上にピアノの方が表現豊かにこの曲を演奏出来ることもあり、ピアノで演奏されることが多いです。
 第1楽章 0:06~ 第2楽章 4:20~ 第3楽章 9:02~
チェンバロ協奏曲 第5番 第2楽章 ラルゴ
​チェンバロ:ジン・ロンド
 バッハのチェンバロ協奏曲はチェンバロ1台用から4台用まで合わせて14曲あります。コンサートのために作曲されたと考えられています。ちょうど長男フリードリヒ、次男エマヌエルがチェンバリストとして成長していたことが、これだけ多くのチェンバロ協奏曲を作った背景にあると思われます。
 この第5番第2楽章のあまい美しさは、バッハのアリオーソとして親しまれています。
ハープシコード組曲第1集 第5番 エアと変奏
「調子のよい鍛冶屋(かじや)」
​チェンバロ:トレヴァー・ピノック
ヘンデル
​1685-1759
イギリス
 曲名はヘンデルがつけたものではありません。いくつか説がありますが、元鍛冶屋(かじや)職人見習いだった人物がこの曲を出版し、この時に組曲としてではなくこの楽章を切り離し題名をつけて出版したという説が有力です。
 ヘンデルらしいすっきりとした明るい曲です。リズムが8分音符、16分音符、32分音符とだんだん細かくなっていき、左手が細かく動く変奏もあります。ピアノでも演奏される曲です。
ソナタ ホ長調 k.380
​チェンバロ:カミル・トカルスキ
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スカルラッティ
1685-1757
​イタリア
 スカルラッティはスペインに渡り、そこで王女に音楽を教えました。王女を教えるために555曲ものチェンバロのためのソナタを作りました。速く細かいパッセージの曲も少なくありません。
 この曲はアンダンテで、はやいテンポではありません。とても美しいハーモニーの曲です。
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ラモー
​1683-1764
フランス
​鳥のさえずり
​チェンバロ:リュク・ボセジュール
​タンブラン
​チェンバロ:v・ジュリアン・フレイ
 どちらの曲も同じクラヴサン曲集第2組曲にあります。
 鳥のさえずりは少し悲し気に鳴く鳥のさえずりがあちこちから聞こえてきます。
​ タンブランは南フランスの胴(どう)の長い太鼓のことですが、この楽器と笛で演奏されるおどりの曲もタンブランと言います。ラモーの曲の中でもよく知られています。力強い曲です。
ティク・トク・ショック
チェンバロ:エレーヌ・コンパローネ
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クープラン
1668-1733
​フランス
 クープランの曲は題名がついているものが多いです。ティク・トク・ショックは「またはマイヨタン」と題名の横に書かれています。
​ マイヨタンとはオリーブの実をくだく木づちのことだそうです。2段けんばんのチェンバロで弾くために作られた曲で、右手と左手が同じ音域を動くのでピアノで弾くのはたいへんです。
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