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金管楽器 第2回は、トロンボーン、チューバ。


トロンボーン
トロンボーンの名前はイタリア語で大きなラッパという意味です。トロンボーンも音域によって種類がありますが、一般的にトロンボーンはテナートロンボーンのことを言います。

スライドの伸縮(しんしゅく)と息の吹き方で音程を作ります。

トランペットと同じく古い歴史を持ち、500年以上もの間、基本的なつくりは変わっていません。
音程をスムーズに調整できることから「神の楽器」といわれ、古くからカトリック教会のミサの伴奏に使われてきました。
なので、世俗的(せぞくてき:宗教や精神的なものから離れた俗っぽいもの)な音楽には使わないようにしていた楽器でした。それを交響曲で最初に使ったのがベートーヴェンです。第5番「運命」第4楽章で使われています。

楽譜はピアノと同じように実音(書かれた音と同じ音)で書かれます。ヘ音記号が一般的ですが、高い音ではハ音記号も使われます。





チューバ

金管楽器の中で最も低い音域の楽器です。
重さは8~12.5kgで、持ち運びのケースに入れると15kgをこえることがあります。
小型のテナー・チューバはユーフォニウムと呼ばれることが多く、吹奏楽で用いられています。

​楽譜は実音で書かれます。




チューバの管を全て伸ばすと、9m60cm。



テナートロンボーンの音域-1water.png
チューバの音域-1water.png
​トロンボーン
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​左手だけで楽器を支え、右手は力を入れず、スライドを軽く持ちます。
​チューバ
​チューバは3種類の形があり、それにより持ち方が異なります。
​ピストン式が2種類
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​イギリス、フランスはトップアクション式でベルが奏者の右
​アメリカはフロントアクション式でベルが奏者の左
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​ロータリー式
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​ドイツ、オーストリア、ロシアはロータリー式でベルは奏者の左
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​【トロンボーン】
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 第4楽章
指揮:カール・ベーム
​ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ハチャトゥリアン 剣の舞
​指揮:小澤征爾

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
​トロンボーンを教会以外の音楽で初めて使った曲。
​ベートーヴェンの「運命」は、「暗から明へ」「戦いから勝利へ」といえるドラマティックな展開で4つの楽章を結びつけ、ひとつのストーリーを聴衆にとどけた作品です。
第4楽章はまさに勝利と歓喜の音楽。このベーム指揮の演奏のすさまじさは別次元のとてつもない演奏です。
「剣の舞」があまりに有名になってしまい。ハチャトゥリアンは「ミスター剣の舞」と言われるとむっとしたと言います。
​この曲にはトロンボーンが得意とするグリッサンドが何度も出てきます。
​【チューバ】
エンリコ・モリコーネ ラ・カリファ
チューバ:ハンス・ニッケル
WDR交響楽団
映画音楽を作るモリコーネの音楽をチューバのためにアレンジしたものです。チューバのやわらかく深い音色を聞くことができると思います。
​チューバが主役となる音楽はたいへん少なく、チューバ協奏曲はジョン・ウィリアムズ(アメリカの映画音楽を多く作っている人物。スター・ウォーズ、ジュラシックパーク、ハリーポッターなど多数)が初めて作ったほどです。
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